フェアトレード(公平貿易)とは、発展途上国で作られた作物や製品を適正な価格で継続的に取引することによって、生産者の持続的な生活向上を支える仕組みです。
これまでの一方的な資金援助は、援助する側の都合によって左右され、継続性に欠けるという問題点がありました。
それに対し、フェアトレードは、私たち消費者が自分の気に入った商品を購入することでできる身近な国際協力のかたちなのです。この方法なら、援助する側の負担も少なく、無理なく継続的な援助ができます。
南の国々との公平な貿易、フェアトレード運動は、ヨーロッパを中心に1960年代から本格的に広まり、現在では数千店舗の「第三世界ショップ」が世界中に開かれています。日本でもフェアトレードに取り組む団体やフェアトレード商品を扱うお店が増えてきています。
証ラベルの開始しかし、それは理解のある限られた市民による消費者運動であって、一般のマーケットとの接点はなく、輸入額も限られています。そこで、フェアーな値段でもっと買ってほしいという途上国の生産者の声に応えて考え出されたのが、フェアトレードラベル運動です。
1988年にオランダで(組織名マックスハベラー)はじまり、その後1992年にドイツを中心に(組織名トランスフェア)ラベル運動が広まっていきました。1997年には、世界各国にあるフェアトレードラベル運動組織が1つにまとまり、FLO( Fairtrade Labelling Organizations International )「国際フェアトレードラベル機構」という国際ネットワーク組織が設立され、現在加盟国は、ヨーロッパほぼ全域、アメリカ、カナダ、日本の計24ヶ国。中南米、アフリカ、アジアの計60ヶ国、生産1010者団体がFLOの生産者認証を受け、2571の業者(産品ごとの延べ業者数)が登録しています。130万人の生産者,家族を含む750万が、フェアトレードの恩恵を受けています。(2011年2月現在)
認証製品の世界全体の推定市場規模は、2007年は、23億ユーロ(約3,700億円)と前年比47%の伸び、2008年の推定市場規模は、29億ユーロ(約4000億円)と拡大しています。その4000億円のうち生産者が、通常のマーケットで販売するより約62億円多くを受け取っていると推定されます。
2010年の推定売上
日本で販売されているラベル商品の一部
下:日本で最初に発売されてたわかちあいプロジェクトの
フェアトレードラベルコーヒー カフェマム 1993年4月

現在もアメリカでは以前のロゴを使っています USAYoutube
日本では、1993年にいくつかの市民団体(NGO)と教会組織が集まってトランスフェアジャパンが設立されました(2004年2月世界共通の新しいロゴの採用にともない、名前をトランスフェアから、フェトレード・ラベル・ジャパンと変更し、NPO法人化しました)。 ラベル導入の経緯
FLOは、フェアトレードの国際基準を設定し、それを守って輸入された商品にラベルを与えることで、それまでなかなか一般のマーケットに広げにくかったフェアトレード商品のマーケットシェア拡大を目指しています。
★広がる認証商品の
マーケットシェアー(例、2007年)
バナナ(スイス) 53%
切花(スイス) 28%
パイナップル(フィンランド) 20%
レギュラーコーヒー(イギリス) 20%
コーヒー(USA) 6%
一般の業者でも、このルールに賛同しフェアトレードに参加することができるようになり、スーパーにもラベル商品が並ぶようになりました。基準を守って輸入された商品には、フェアトレード商品であることをあらわすラベルを貼ることが許され、消費者はそのことを理解して、ラベル付き商品を選んで購入し、途上国の生産者を支援することができます。この運動の中心的役割を果たしてきたオランダでは、なんと消費者の90%がラベルの意味 を知っているほどに普及しています。(海外での普及を知るには、世界のフェアトレードラベル団体をチェック)
一方、日本では、スターバックコーヒー、タリーズコーヒー、イオン、無印など有名企業が2003年から徐々にフェアトレードラベルに参加していますが、、2010年の推定市場規模は、16億円程度と海外と比べられないほど小さな状況です。日本における認証商品の売上げ推移(2008年)(PDF:33.9 KB)
★フェアトレード世界の推移
★フェアトレード日本の推移

フェアトレードという言葉が日本でも普及してきていますが、フェアトレードラベルの特徴は、各品目ごとに基準が設定され、生産者も その基準に基づいて、第三者機関としてのFLO認証会社の専門査察官によって認証され、輸入業者や販売業者も監査される体制がつくられていることです。
ラベル商品を購入することで消費者は安心、信頼してフェアトレード商品を購入すること ができます。その点国が定める有機栽培のJAS認証制度と類似しています。有機栽培についても、民間の運動としてはじまり、不明確でまぎらわしい表示から消費者を守るために国がJAS規格を定めた経緯があります。

有機食品のJAS規格に適合した生産が行われていることを登録認定機関が検査し、その結果、認定された事業者のみが有機JASマークを貼ることができます。
この「有機JASマーク」がない農産物と農産物加工食品に、「有機」、「オーガニック」などの名称の表示や、これと紛らわしい表示を付すことは法律で禁止されています。 有機食品の検査認証制度(農林水産省)
FLOの仕組み(⇒クリックして拡大)

途上国のコーヒー生産者が、苗を育て、肥料をやり、日々の農作業を通して収穫を迎えて も、コーヒーの国際価格は、天候による不作や収穫量の増大による供給過剰や投機マネーによって乱高下します。市場の知識や情報にうとかったり、業者との交渉の手だてを持っていない立場の弱い生産者は、ときには仲買人のいいなりに、生産コストを下回る価格で売らざるを得ない状況に追い込まれます。
FLOは、この不公平な仕組みを根本から見直すべく、新たな貿易の形を促進しています。基準を満たした良い生産物を世界の市場より高い価格で、しかも生産者が債務の罠にはまらないように前払いでかつ長期の契約を結ぶという貿易のルールを作りました。
「国際フェアトレードラベル機構」(FLO)の定めるコーヒーと紅茶などの基準とは、次の通 りです。
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基準は、コーヒー、紅茶、ココア、砂糖、蜂蜜、バナナ、オレンジなどの果物やジュース類、スパイス、ナッツ、オリーブオイル、米、大豆、ワ イン、ビール、綿と綿製品、切花、サッカーボールなどが設定されています。FLOの役割は、直接に貿易を行うことではなく、フェアトレードの共通の基準を設定し、参加を希望する業者にラベルの使用を許可し、基準が守られていることを消費者のためにモニターすることです。
わかちあいプロジェクトが日本で最初にフェアトレードラベルコーヒーを発売した1993年当初は、コーヒー輸入業者として第一コーヒー株式会社が、フェアトレードコーヒー輸入業者としてライセンス契約を結ぶだけで、監査のシステムはできていませんでした。年間の売上量を報告して、その量に従ってフェトレードラベルの使用料を支払っていました。
そのご世界にラベル運動が広がり、売り上げが拡大する中で、信用度を高めるために、監査のシステムが導入され、FLO( Fairtrade Labelling Organizations International )「国際フェアトレードラベル機構」というNGOから分離して、FLO認証株式会社が別組織としてつくられました。
有機の認証と同様、認証会社の専門査察官が、現地にでかけ4,5日にわたって生産者を訪問して、フェアトレード基準に基づくチェックリストに従って調査、報告し、FLO認証株式会社の委員会に諮って認証の可否を決定します。日本国内の輸入業者やフェアトレードラベルの使用が許されているライセンス業者も、輸入量や販売量を報告するとともに、委託した専門の査察官が、各企業を訪問し、フェアトレード基準に従って、認証された生産者から輸入し、販売されているか、フェアトレードのプレミアムが支払われているか監査いたします。
フェアトレーの認証監査システムは、長年の改善と努力があって成り立っています。世界中で多くのスタッフがそのために従事し、日本でも3名の方が監査にあたっています。
そのための費用の負担は、生産者と輸入、販売業者が行います。
認証料(生産者が支払う)@申請料 525ユーロ(最初の1回)
A認証費用(3年に1回程度の頻度で、査察官が生産者団体を訪問して調査を実施)
メンバーが 50人以下 1,430ユーロ、メンバーが 50人―100人 2,040ユーロ
B年間登録料
メンバーが 50人以下 1,170ユーロ、メンバーが 50人―100人 1,610ユーロ
認証料に関するページ ⇒⇒⇒ ファイル⇒⇒⇒
およそでいいますと年間で約20万円ていどの費用が必要になります。費用が出せない生産者への支援制度もFLO内にできています。日本の業者の登録とライセンス費用について ⇒⇒⇒
ライセンス料は、小売値の約1%を原則にしています。2010年のフェアトレードラベルジャパンのラインセンス収入は1600万円で日本の推定小売販売料は16億円と推定されます。

フェアトレード・ラベルの認証は、flo-cert ltd.(flo認証株式会社)が統括して行っています。flo-cert ltd.は、全ての業務を調整し、生産者の審査、貿易会計監査及び認定に関する全ての情報を処理し、他のいかなるフェアトレード関係機関からも独立して運営され、認定組織に対するiso基準(iso 65)の取得を進めています。
支援しようとする生産者団体から、費用を取ることに対して批判する声を聞きますが、フェアトレード運動を世界の広がりのかなで考え、将来にわたって発展させるためには信頼されるシステムは欠かせません。そのためにはすべての関係者が、費用を負担しないと成り立ちません。ヨーロッパでは多くの政府がその意義を認めて、FLOやその関係する生産者団体のために資金を提供しています。
フェアトレードラベル運動が始まる前から、手工芸品を中心とする生産者と消費国のフェアトレード団体の連盟としてWFTO(World Fair Trade Organization)があります。 WFTOのホームページへ
ヨーロッパの主要なFT団体は、各国のフェアトレード・ラベル団体の設立を支え、FLOとWFTOに同時に参加しています。FLOの基準が設定されるとラベルを採用して、スーパーやデパートでラベル商品を販売しています。
フェアトレードが盛んなヨーロッパでは、いわゆるFT商品の売上げの90%がフェアトレードラベル商品で、10%がラベルなし(WFTO)商品といわれています。フェアトレードラベル商品の割合が増えてきています。コットン商品のフェアトレード認証が始まってますますその傾向は大きくなっています。
フェアトレード・ラベルの採用のために、@奨励金(生産者への支払)A輸入業者としての登録料(FLOへの支払)Bラベルの使用料(小売値の約1%、各国のラベル組織への支払)Cラベル付きの新しいパッケージの製作と短期的には負担が増えることになります。しかし、長期的にみれば、自らのマーケットを広げることができると共に、フェアトレードの普及、拡大に貢献することになります。フェアトレードは1団体、1企業が取り組むべき課題ではなくなっています。

わかちあいプロジェクトとフェアトレードラベルジャパンは別組織ですが、わかちあいプロジェクトがフェアトレードラベルジャパンを生み出し、支えてきた経緯からできるだけFLOおよびフェアトレードラベルの情報を提供しています。