ミャンマー難民キャンプを訪問して

2013 年 9 月 20 日
一般社団法人わかちあいプロジェクト 竹内

hurugi2013_01     2013 年 8 月 26 日・27 日の日程で、第 21 回古着支援プロジェクトで集めた衣類のタイ・ミャンマー難民キャンプでの分配に立ち会いました。現地での古着受け取り及び分配にはタイの NGO「The Border Consortium(以下”TBC”)」と連携しているものです 。

26日に首都バンコクに到着後、北部チェンマイまで飛んだ私たち。さらに小型飛行機で40 分ほど行ったところに今回の目的地であるメーホンソーン県があります。ミャンマー国境から直線でわずか 4 キロ。ここにおよそ 12000 のミャンマー難民が暮らしており、そのうち 98 がカレニ族です。

メーホンソーン県は自然豊かでほのぼのとしたムードが漂う田舎街。寺院の建築様式、お祭、食べ物に至るまで、隣国ミャンマーの文化の影響を 多々受けています。太平洋戦争中に旧日本軍が駐屯したという歴史を伝え る施設があり、日本 にとってもゆかりのある地です。

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難民キャンプはメーホンソーンの中部から車で 1 時間弱の所にあります。その道のりは4WDでしか通行が難しく、今回は雨季のためキャンプに向かう途中、増水した川を車で何度も渡りました。私達がメーホンソーン空港に 着いてから、この地を離れるまでの 2 日間ずっと私達に付いて運転・コーディネートを務めてくださったのは、TBC メーホンソーン・ オフィスのフィールド・コーディネーター、セワさんでした。左手首に包帯のような ものが巻いてあったのでど うしたのか聞いたところ、数日前にもう少し離れた難民キャンプへ行く途中、道が悪 くドライブ中に捻ってしまったのだそう。

キャンプに着くと、すぐに古着の分配に立ち会いました。難民たちは家族の代表 1 名ずつが分配会場に集まり、分配担当者が家族構成を確認して、それぞれの家族に合う古着を渡します。受け取った人は拇印を帳簿に 押し、受け取りの証明とします。

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古着を受け取った難民達の表情はとても晴れやかで、特に女性たちは受け取った服を見せ合ったり体にあててみたりその場で着てみたりと、言葉が分からない私達にも理解しやすい嬉しいリアクションをみせてくれます。また、ズボンのウエストサイズを身体 尺(ボタンをした状態で首に巻く)で確認している男性も発見しました。みな物が少ない環境の中で、知恵を使って生活しているのです 。

2 日目もまた別のセクションの難民の古着分配に立ち会いました。 メーホンソーン県のキャンプでの古着の支援は現状一年を通してわかちあいプロジェクトからのもののみで 、他国・他団体からはありません。古着を受け取った難民に話を聞いたところ、普段 類の入手自体が困難なことに加え、ミャンマー と似た体型のアジア・日本からの衣類はサイズが合い、とても嬉しいとのことでした。

昨年訪れたウンピウム難民キャンプはかなり高地にあったためかなり寒かったのを覚えていますが、メーホンソーンは最低でも「涼しくて過ごしやすい」というぐらいの気温までしか下がることはなく、冬服よりは夏服、そして動きやすい服が好まれる傾向があるようでした。

この日は TBC が昼食のおかずを提供している保育施設も訪問させてもらいました。本当は小学校や中学校、高校にも行きたかったの ですが、ちょうどテスト期間中で、皆テストが終わりいつもより早く下校していたため叶いませんでした。テストが終わった子供たちは日本と同じ。広場でみな笑顔で遊んでいました。小学生にはビー 玉遊びが主流のよう。ビー玉遊びの経験がないのに、懐かしい気持ちになったのはなぜでしょう。

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保育施設では子供達が外のバケツに汲まれた水で、保育者に手伝ってもらいながら手洗いをしていました。お昼ご飯の直前です。支給されたプラスチックのお弁当箱に、園児たちは家で炊いたお米をつめて登園しています。 今日のおかずは TBC が支援した「キュウリのスープ」。輪になって座った園児たちのところに保育者が鍋ごと持って回り、 米の上にかけていきます。みんなで一斉に「いただきます」を言った後、ようやく食事のスタートです。食べ終わったら先ほど手を洗った場所に戻り、保育者がサっとお弁当箱をすすいで園児に返します。どの 国の子供もこのぐらいの年だと米が苦手。隠れて外 の鶏に米をあげてしまう笑顔のいたずらっ子もいました。

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この日の私達の昼食は難民キャンプ内で難民たちが働く食堂で。筍の水煮など日本 の口に合う食材の料 理ばかりだったのが印象的です。

またこの日、私達は第三国定住でアメリカ行きを決めた 10 家族の出発のその瞬間を目の当たりにしまし た。ストライプのレジャーシート地でできた薄手の大きな袋にありったけの荷物が詰められ、彼らは 4WD の荷台に次々と乗り込みました。見送る人々はみな笑顔。 一人の初老の男性が「旅立つ人を祝い励ます唄」を唄っています。お経やイスラムのアザーンにさえも似た、低 音で伸びのあるエキゾチックなその唄声が大きく辺りに響き渡っていました。新たな地に向かう難 達の幸せを 祈るばかりです。

最後になりますが、今回、第 21 回目の古着支援プロジェ クトでは、「助け合う 」について改めて学びました。
6 月の古着の募集期間中、古着募集の私たちの新聞記事を見たというおばあさまから、こんなお電話を頂いていました。
「戦時中、とても貧しい時に古着をもらって生きながらえました。だから難民の人たちの気持ちがわかるんです。」
また、未曾有の大震災で避難されている方からも、「支援される側の気持ちがよくわかります」とお電話を頂きました。

タイ・バンコクの TBC 本部での意見交換で出た「震災後も変わらず支援を続ける日本の皆さんにを打たれました」という言葉も印象的でした。振り返ると、未曾有の大震災時に日本は開発途上国から沢山の支援・励ましのメッセージを受けていました。苦しい時にも助け合う気持ち、感謝し合う気持ちを今後も忘れずに、この仕事に携わっていきたいと思います。今回ご支援下さった日本の皆様に、心より御礼申し上げます。

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